三重県菰野町に窯を持つ山口陶器のブランド「かもしか道具店」

かもしか道具店

2017.9.18
製作現場探訪

ごはんの鍋ができるまで

隔月に更新するのスペシャルコンテンツとして、
かもしか道具店の看板商品「ごはんの鍋」が出来るまでの製作工程をご紹介します。

 

①土を切って重さを計る
まず始めに土を切って重さを計ります。ごはんの鍋に使用する土は、「ペタライト」という物質が入っており、そのことで耐熱性に優れた鍋になります。土の重さはひとつあたり約2㎏です。

② ろくろに土を入れる
「水ゴテ」と呼ばれる機械のろくろに土を入れて、回転させ、鍋の形をつくります。コテから水が出ているので、後で削るなどの加工がしやすくなります。

③ 乾かして型から外す
型に入れたまま1時間ほど乾かします。そうすることで型と土の間に隙間ができるので簡単に外すことができます。

 

④ 表面を削る
鍋の表面を削ります。削ることで、鍋の表面にザラザラとした土の表情が出てきて、鍋の質感が変わります。ひと手間かかりますが、「ごはんの鍋」のあたたかみのある土感を表現できます。

 

⑤ 取っ手をつけて乾かす
取っ手をつけたら、一晩乾かします。「トチ」と呼ばれる台に乗せて乾かすことで、乾燥による収縮よって、
鍋の形がひずむ心配がありません。

⑥ 素焼きをする
一晩乾かしたら「素焼き」という工程に入ります。800℃まで熱せられた窯に入れて、約5時間焼き上げます。素焼きをすることで、土に含まれている水分が無くなるので、釉薬のかかり具合が安定し、まんべんなく釉薬をかけることが出来ます。また割れにくくなるので、作業もしやすくなります。そして水分と一緒に不純物も無くなります。

 

⑦ 釉薬をかけて焼く
釉薬をかけたら、1200℃の温度で13時間~14時間焼きます。窯の中に入っている陶器の量や、気温などで窯の中の温度が変化するので、繊細な職人の勘が必要となってきます。冬の方が湿度が低いので気温が上がりやすいです。

【山口陶器の生地と釉薬について】
山口陶器では生地と釉薬を自社で作っています。
生地は創業時から、釉薬は4年前から作るようになりました。
そのことで、トラブルが起きた際、すぐに原因がわかるようになり、品質管理もしっかり出来ます。また釉薬を自社で生産することで、オリジナルの釉薬を作ることが可能となり、商品を差別化出来るようになりました。